INTRODUCTION(はじめに)

デザインは専門的な知識や技術を習得している人だけの特別なモノじゃない。

どうしたら楽しくなるかなんて理屈は無視して大好きなゲームに熱中している子どもだって、目的の成果をあげるため、仕事の効率や手順を考えている大人だって、ネットショップで欲しい洋服をリサーチしている女子だって、旅行を楽しむためにいろいろなプランを立てているご年配の方だって、好きなこと楽しいこと良質な時間を過ごすためにみんな全力で知識と感覚を奮い立たせているんじゃないかな?

この気持ちにはすべて「デザインの力」が作用している。

好奇心全開で見て(INPUT)、いろいろな計画を構想し、検討して比較して考えること(OUTPUT)はすべてデザインなのだ。だから、デザインは一部のクリエイターだけの特別なモノじゃないんだ。ヒトはみんな無意識にデザインを楽しんでいるんだと私は考えている。

デザインの仕事とは、発注する人は要望と代価を用意して、つくる人は知識と技術を用意して、両者がそれを交換することで成立する。そして、お互いの目的が成立したら幸福になるという単純でシンプルなシクミ。

それぞれクライアントとデザイン会社という立場こそ違え同じ目的のために代価と時間を交換して成果と満足を共有できることがデザインの仕事。

若い頃、デザイン力は特別な力でクライアントの要望に対して少し上から目線で「デザインしてあげていますよ」という気持ちで向き合っていた。しかし、これじゃお互いに全然楽しくない。

楽しくなるはずがない!

クライアントは貴重な代価をクリエイターに支払うことでデザインを得て、クリエイターは知識と技術でその要望に全力で向き合い成果を生み出す。この買い手とつくり手の良質な関係こそが「最高のデザイン」なのです。

つくり手は365日、いつも最高のデザインをつくれるようなコンディションをつくり、常に新しい知識や技術を習得しようと試行錯誤している。当然、感覚も「遊び心」「ユーモア」「時代性」などを意識して。ただ、知性や感性だけでモノゴトを捉えず、常に頭ひとつ突出させるために、不条理や不調和など非常識な領域も時に肯定して新鮮な表現を探求している。デザインの世界には正解が存在しない。だから、「最高のデザイン」を求めてゴールを設定せずにつくり続けるしかないと考えています。

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